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辺野古・大浦湾 (2009年〜2013年)

森と海がつながる奇跡の楽園

大浦湾へ

IMG_2634のコピー.jpg全景:VanillaAirの窓から沖縄に移住した2009年北風が吹き始めた9月、この海へ初めて訪れた。夜、地元の人たちが集まる二見集落のパーラーで大浦湾の海のことを教えて貰った。『このパーラーの裏の海にクマノミが沢山いるよ〜行ってみたらいいさ〜』と、パーラーに辿り着くまでの道のりは長かったけれど、酒が入ると話は早かった。翌朝パーラーの裏からタンクを背負ってエントリーした。そこは湾奥の大浦川の河口域で赤土が堆積して沖縄の青い海のイメージから想像しにくい茶色の海。濁りの層が漂っている場所もあっていきなり視界が数十センチまで落ちる、そんな海である。教えて貰ったクマノミの方向にコンパスを合わせひたすら泳ぐこと20分。目の前に数百メートルに渡るユビエダハマサンゴ群落が現れた。と言っても見える範囲は数メートル先。その後、何度も潜っているうちにサンゴまでの道中に沢山の生物たちと出会い、ついに60匹ほどのクマノミが当時は暮していたコロニーに辿り着いた。透明度が悪いゆえに潜るたびに新しい発見が有って、この海に通い始めるきっかけになった。
移住前に東京でとあるディスカッションを聞いた時のこと、『森は海の恋人』の畠山重篤さんのご子息の信さんの話を思い出した。彼らは良質の牡蠣の養殖を続けるために植林を続けていると言う。豊かな海には豊かな森が必要なのだと。
大浦湾に潜ってこの言葉を思い出した。やんばるの森に囲まれたこの小さな海には比較的大きな大浦川と汀間川が流れている。森の栄養分は海へ流れ、ラッパ状に広がる地形は内湾の環境から外洋に面したリーフの海へと変化する。それぞれの規模は小さいけれど、特殊な地形をしたこの海には多種多様の生物が暮している。とても貴重な海がここにあった。

やんばるの森〜マングローブ

_YAS0557のコピー.jpgやんばるの森〜マングローブへ湾の一番奥に流れる大浦川の上流を目指した。一眼レフを入れたリュックを背負って出発した。川の中を歩いては滝壺を泳いで滝をよじ登る。数時間登ったところで良い感じの滝にたどり着いた。また汀間川の支流に入ると、リュウキュウテナガエビやナンヨウボウズハゼなど他ではなかなか見ることの出来ない生物が暮らしていた。大浦川の河口にはマングローブの森が広がる。オヒルギの森の中には、足下に無数の呼吸根が有って、そこをぴょんぴょん飛び跳ねるトントンミー暮らしていた。また腰ほどの高さの塚がいくつもあってそこに暮らすオキナワアナジャコが深夜になると活動を始める。そして、潮が引くとメニルギの周りにはシオマネキが現れる。生物たちの暮らしを手にとるように見る事ができる。


河口域の海

_YAS3414.jpg河口域の海へ川の水と海水が混ざった汽水域から海へと変化する潮間帯。潮が引くとミナミコメツキガニが姿を現し、地元の子供たちが走り回る遊び場に変わる。海に入ると海底付近も茶色く濁っているのだが、潜り続けていると生物達が生きるために必要な森の栄養分が沢山含まれた色であると気づき始める。浅いところには川から運ばれた落ち葉などが堆積している。ここは内湾の環境特有の生物に出会う事が出来る海だった。長さ2mを超える世界最大と言われているクレナイオオイカリナマコやキクメイシモドキというサンゴを背負ったスイショウガイなど、他ではなかなか見ることの出来ない生物に会うことが出来る。そしてしばらく泳いでいくと数百メートルに渡ってユビエダハマサンゴの群落が現れる。陸から見るとここで潜ろうとなかなか思わないけれど、水面で隠れた海の中は生物達の楽園になっていた。


サンゴの海

_YAS1818.jpgサンゴの海へ車で5分ほど移動すると青い海へと姿を変える。泥地の海からサンゴの海へと変化する。獣道の様に草が生い茂る道を進んで行くとその先に小さな東屋があった。(今は台風で飛ばされて残っていない)そこからまた15分ほどかけてリーフエッジに向かって泳いでゆく。そこまでする目的は、3千年も生き続けているとの説もあるアオサンゴの群落があるからだ。高さが12m,幅50mにまで成長している姿は山脈のようにも見えた。アオサンゴの方角にコンパスを合わせて泳いで行くのだが、道中が長いので潮の流れなどで必ずしも同じところには辿り着かない。そのおかげでミドリイシサンゴが群生している場所に出たり、時にはアカウミガメにも出会ったりなかなか楽しい海である。しかし、時々使っていた水中スクーターのバッテリーが海の中でいきなり切れたり、何度も通っているうちに、大きくなったわだちに車がハマってしまいレッカーを呼んだり。そんなトラブルも今となっては良い思い出として残っている。

カヌチャの海

_YAS1414_1080_500.jpgカヌチャの海大浦湾のカヌチャリゾート。リゾートの前には白い砂地が広がり透明度の良い冬は最高に気持ちが良い。カヌチャリゾートのアクティビティーにダイビングメニューが組まれているので、ボートでこの砂地のポイントのほか洞窟のポイント、アオサンゴのポイントなどを潜ることができる。リゾート施設を利用するので快適にダイビングを楽しめる。
カヌチャリゾートに写真を提供している他、アクティビティーなどの撮影も担当している。


※大浦湾は地元の人達のご協力、海に通う事で出会った方々の情報も頂きながら撮影を続けています。